WORLD
この街の住人はすべて生まれながらにして「核」という期間を胸に宿す。 その核には三つの特性が宿る。
灯数(ともしすう)
どれだけ「注目されたか」だけを数える指標。
内容は一切問われない。注目をどれだけ集めたかだけが基準になる。
灯数が多い者ほど、塔の高い階で暮らす。
煌力(こうりょく)
人が本来もつ“核の本質的な力”。
生まれつき高い者もいれば、後天的に少しずつ高まっていく者もいる。
何が煌力を高めていくのかはまだ具体的には明らかになっていない。
傷紋(しょうもん)
誰かのために行動を起こしたとき、核に刻まれる“傷”。
この街では自分のために生きることができない「恥」だとされている。
傷紋が多い者ほど、忌み嫌われ冷たく扱われる。
傷紋が蓄積すればするほど、煌力は見えなくなっていく。
螺旋街オルディス/評価塔(らせんがいおるでぃす/ひょうかとう)
灯数の高さで住む階が変わる螺旋状の街・オルディス。
上へ行くほど家は大きく、光はまぶしくなり、
下へ行くほど影と煤が濃くなっていく。
中央にそびえる「評価塔」には、すべての住人の灯数ランキングが毎朝時6時に更新される。
人々は毎日その塔を見上げ、自分の数字に一喜一憂する。
ロギスレーン(Logis Lane)
オルディスの中層部に位置する、歴史資料・古文書・記録物が並ぶ静かな通り。
古くから “街の記憶が眠る場所” とされ、その静けさと厳粛さは、住民にとって特別な意味を持つ。
この街の歴史と価値観が積み重なった象徴的な場所である。
THEMA
火は焼くことも、照らすこともできる。
同じものや現象であっても使い方を変えれば、世界はまるで別の形になる。
どちらが正しいのか、時に正義の反対は正義であり、表裏一体。
この物語は、“火の使い方”をめぐる選択の物語である。